「たくさん予習はしてきたんですけど、僕も初めてなんで、うまくいかなかったらごめんなさい」
明良は自室の汚いベッドの上に俯せに転がされ、青年に背後から犯されていた。
膝と額でかろうじて支えている身体が激しく揺さぶられ、膚がシーツで擦れる。
青年が腰を打ち付けるたび、股の萎え縮んだ性器が揺れ、腹の肉もぷるぷると振動した。男の硬い下生えが尻たぶを擽る。
蕾が目一杯に開かされて、ギチギチに詰め込まれている違和感が物凄い。
敏感な粘膜が、焼け焦げそうな熱痛を伝える。
自分は今、男に犯されているのだと、否応なく思い知らされた。
(何で俺が、俺なんかがこんな目に)
閉じた目蓋の間から、涙の粒が滴り落ちる。
女でもない、若くも美しくもない自分が、よりによって何故同性に強姦されなければならないのか。
(お前なら他にいくらだって選べるじゃないか!)
腰を鷲掴みにされ、腸の奥深くまで穿たれる。
腰骨の内側が激痛の網に囚われる。
まるで万の針に突き刺されているようだ。
「明良さん、なか、熱くて狭くて……凄くいい、です」
熱を孕んで、余裕のない上擦った声が背に落ちてくる。初めてだというのは案外本当だったのかも知れない。
暫くして、んっ、とかすれた呻き声が聞こえたかと思うと、腰を掴んでいた指が深く食い込む。
ぐっと抉るように深く突き込まれた。
次の瞬間、肉筒に精液を送り出す蠕動が伝わる。熱い飛沫が弾けた。
(なかに、出された)
酷い汚辱感に、頭の芯がすうと冷たくなった。視界が暗む。胃がせり上がってくる。
同性に嵌められ、中出しされるなんて、とても耐えられるものではない。
口にガムテープを貼られたままでは、呻くことしかできなかった。
鼻でせわしなく呼吸しながら、明良は啜り泣いた。
「ごめんなさい。早過ぎですよね」
すまなさそうに詫びる青年の声も、明良には聞こえていなかった。
「ハッテンバやプロの人で練習、と思わなくもなかったんですけど。でも僕、普通のやり方だとできないので……」
背後から覆い被さり、耳元に息を吹きかけてくるのが厭わしい。
なめらかでしっかりとした質量を伝える男の肉体が、背にピッタリと張り付いてくる感触に、皮膚が粟立つ。
それに、男が身体を動かすと、未だ体内に居座り続けている肉塊の存在を、否応なく感じる。
(早く抜けよ! もう終わったんだろ!! とっとと行って、ほっといてくれよぉ……)
突然、股間をまさぐられ、ヒッと息を呑んだ。
睾丸や茎を揉まれただけでなく、皮を剥いて、亀頭まで指の腹で探られた。
「やっぱり処女だと、最初から気持ちよくなるの、無理みたいですね。でもすぐに慣れますから」
青年は柔らかい肉を掌で包み込み、ゆるゆると扱き始めた。
(もういやだ、頭おかしいよ……これ以上、触んな、やめろよぉ……)
明良は懸命に腰を引いて、手を避けようとしたが、そうすると図らずも密着している男の腰に自分の尻を押しつけてしまう結果になった。
精液でぬめる腔内の異物が腸を突く。
フヒッと鼻から変な息が洩れた。
体内に留まっていたものが徐々に圧迫感を増しているのに気づき、明良は愕然と目を見開いた。
若さ故か、僅かな休息で凶器は臨戦態勢を整えつつあった。
「今度はもっとうまくやりますから」
恋人にでも話しかけるような甘い囁きを耳孔に吹き込まれ。
明良は喉奥で、打たれた犬のような悲鳴を上げた。