Dying, Bleeding,Screaming - 4/10

 「便所」で過ごす毎日は、槐を確実に変質させた。
 「便所」になってから一度も射精していない。コックハーネスはずっと装着されたまま。寝る時も排泄の時も外されることはない。
 腰の基部に熱が重く溜まり、まともな思考を保つのも難しい。とにかくこの熱を開放したくて、射精したくて仕方がない。
 「便所」として台に上っている間は、高熱に浮かされたようにずっと、開いた唇から涎を垂らして喘ぎ続けていた。

 一日の終わりには、狭い檻のような部屋で、鎖に繋がれて眠った。起きると残飯のような餌を宛がわれ、「便所」に連れて行かれる。
 最初の監禁場所に戻されることは、二度となかった。所有主たちが顔を見せることもなかった。
 今槐の世話をしているのは、雇われたスタッフだった。
 「便所」に繋がれている間は基本的に放置で、定刻にやってきて機械的に腹の中を掃除する。何日かに一度はシャワー室に連れていき、乱暴に身体を洗った。
 その後は、決まって役得のように槐を犯した。

 一度シャワー室に連れて行かれた時に、コックハーネスを外されたことがあった。
 その時は、外された開放感から射精しそうになったばかりか、身体を洗う手に無意識にペニスを擦りつけようとして、世話係にきつい折檻を受けた。
 コックハーネスの再装着時に完全勃起した陰茎を下に握り倒される激痛を味わわされただけでなく、パンパンに膨れた睾丸をベルトで二つに分けて絞るものに付け替えられた上、極太のディルドを孔にぶち込まれ、散々に内臓を抉られた。
 果てしなく続くかと思われる絶頂寸前の地獄に、槐は獣のように吠えた。
 狭い自室に戻されてからは、今度は世話係自身に立て続けに三度犯された。

 僅かにものを考えられる時には、一番最初に自分を犯し、所有した六人の男たちのことを思い出していた。
 自分を拉致して強姦し、こんな境遇に落とした元凶であるにも拘らず、あの男たちが懐かしく、恋しかった。
 あそこでは槐は常に関心を持たれ、調教者と調教される奴隷という非常に歪んだ形ではあったが、一種の感情のつながりがあった。
 彼らは槐の変化を観察し、思った反応が得られれば悦んでくれた。不服従や粗相の罰に与えられる折檻さえもが、槐から悦楽を引き出す為の性技だった。
 「便所」を訪れる客たちは、誰もそのような目で見ない。世話係にとっても、槐はただの備品だ。
 どうせ犯され痛めつけられるなら、所有者のあの男たちにそうされたかった。
 槐は、あの場所に戻りたいと、切実に感じていた。