黒絹のシーツの上で、三つの肢体が絡む。
甘い汗の香と、青草のにおい。
「ああ……好いね、冬馬。随分と巧くなったね」
蒼司は、淡く艶めく唇を綻ばせる。
しどけなく崩した脚の間に顔を埋め、一心に陽根を貪る義弟の頭を撫でた。
双子と異なる、冬馬の素直で固い黒髪を、長い指で掻き混ぜる。
その間も、双子の弟の紅司が冬馬の腰を捉え、背後から犯している。
深く浅くと、的確に内部を抉る動きは繊細に、だが大胆に。
冬馬は、その力強いリズムに揺さぶられながらも恍惚と、義兄の陰茎を咥えて離さない。
陰茎を熱く包み込む口腔の絞めと、柔らかい舌の動きを堪能する。
「ふふ……可愛い。冬馬、美味しいかい?」
慈しみを以って囁きかける。
ちらりと目を上げた冬馬の、夜の海の瞳に情欲の漁火が煌めく。
うっとりと目を細めたを肯定と受け取り、蒼司は指先を義弟の滑らかな頬に滑らせた。
最愛の母と、魂を分かち合うお互い以外に、何の価値を見出していない双子だ。財力も美貌も能力も、充分過ぎるほど持ち合わせた二人にとって、他者など自分たちが使うために用意された道具か、路傍の石――モノに過ぎない。
これまで、その美貌と才能で他人を気ままに操ってきた双子だったが、今一番のお気に入りの玩具がこの、義弟の冬馬だった。
母の再婚相手の連れ子。
義弟にあたるこの少年を犯し、調教を重ね、淫蕩で従順な性奴隷に躾けた。
褥の中以外では、歳相応の生意気さを見せて、時折不従順に振る舞うのがなお好ましい。
お陰で、淫らなお仕置きを課す機会にも事欠かない。まさに理想的な性奴と言えた。
二人は、冬馬の最大の美点とも言うべき、この愛らしい生意気さが損なわれないように、慎重に調教を施したのだ。
親たちは、冬馬が双子の枕席に侍る性奴にされたことを知らない。
知っていれば、両親共に激怒しただろうが、既に三人の関係を知っている一部の使用人には厳重に口止めしてある。
その気になれば、どんな手段も厭わない兄弟だ。漏れる気遣いは、殆ど無いと言って良かった。
熱烈な崇拝者を多く持つ双子にとっても冬馬は、貴重な美質の点でも、家族という点でも、別格の愛奴だ。そう簡単に手放すつもりはない。
蒼司は双子の弟を見遣る。
淡い栗色に縁取られた相似の美貌、情欲に烟る琥珀の瞳が見つめ返す。
全てを心得た共犯者の笑み。二人の間に言葉は要らない。
「なかにいっぱい注いであげるからね。孕むんだよ?」
低い囁きを背に落とし、紅司が後孔を抉る動きを速める。高らかに肉を打ちつける音が響き、濡れたものを捏ね回す水音が、一層淫靡に結合部から上がる。
激しく揺さぶられ、冬馬が、あ、あ、と喘ぎ、口から怒張を取りこぼした。切なげに歪められた眉が、体内で暴れる快感の奔流に切羽詰まっていると如実に示す。
蒼司は指を髪の中に深く差し入れ、冬馬の後頭を捉えて、下腹部に強く押し付けた。
「さあ出すよ、お飲み」
やわらかいが有無を言わせぬ声音。酷薄なまでの情愛と昂ぶりを滲ませて。
喉奥の締め付けを楽しみながら、絶頂に痙攣する義弟の口腔にたっぷりと吐精するのだった。
– end –