「やっぱレイちゃん、似合う! メチャクチャエロい! エロかわ!!」
 総レースの純白の女性用下着を着用した嶺也を前に、孝一は目を輝かせてスマホで写真を撮りまくる。
 パンティにブラジャー、ガーターベルトと腿までのストッキング。ご丁寧に頭にもレースのカチューシャを着けさせられた。
 嶺也の身体は決して逞しいとは言えないが、女性のランジェリーを着けても違和感がないほど華奢でもなければ、女っぽくもない。
 女装趣味も女性化願望もない嶺也の顔は、羞恥と屈辱で赤く染まっていた。
 その顔がうっすらと白みがかって見えるのは、孝一が化粧を施したからだ。
 何やら顔にクリームを塗りたくった上に粉をはたいて、後は目元にアイシャドウと、唇に口紅を差しただけだが、どうやっても男の顔にしか見えない点を除けば、まあまあの出来だった。
 孝一は意外にも手際がよくて、嶺也にしてみれば、こういうところも底の知れない男と思ってしまうのだった。

 嶺也は目を逸らし、奥歯を噛み締める。
 手の置きどころが見つからず、自身を抱くようにして上腕をさする。それすら、孝一には愛らしい恥じらいの仕草と見えるようで。
「レイちゃーん、恥ずかしがらずに腕下げて。胸張って。俺に見せて」
 何言ってやがると心の中で密かに毒づきながら、渋々背中で腕を組んで、胸を突き出す。
 シルクのショーツは肌に吸いつくようで気持ち悪いし、薄くて滑らかな生地はペニスの形をくっきりと浮かび上がらせて、いたたまれない気持ちにさせる。
 何より小さな布きれに収りきらずに、先端が上の方からはみ出してしまうのだ。
 その上、ブラジャーときたら、平坦な胸にぶかぶかのカップが不格好に貼りついているだけ。
 嶺也にしてみれば、ただひたすらにグロテスクで滑稽なだけだ。
 こんな目を背けたくなるような無様な下着姿に、興奮してはしゃぐ孝一が異様に見えた。

 グラビアみたいなエッチなポーズを散々取らされた後、孝一は拘束ベルトを持ち出してきた。
 今日のシチュエーションは、デビュー間もないアイドルが騙されてカメラマンにレイプされるという設定らしい。
 ベビーピンクのファーを内張にした合皮の枷で手足を拘束され、M字に脚を開脚させされてまた撮影。
 同じポーズで、今度はブラジャーを上にずらして、乳首を露出させて撮影。
 周囲にはイボ付き極太ディルドや電マなどの淫具を置いて、これから過酷な牝奴隷調教をされるというムードを演出したつもりらしい。
 嶺也としては、AVか何かの見過ぎとしか思えない上に、再現したいなら何で女性でやらないんだと呆れるばかりなのだが。

 

 仕上げはお定まりのセックス。いや嶺也からすれば強姦に他ならない。
 ベッドの上、高々と掲げられた足の片方に、引き下ろされたパンティがまとわりついている。孝一がわざわざ片脚だけ脱がせたのだ。
 本人曰く、本当はエロ漫画によくあるシチュエーションの、股のクラッチ部分だけずらしての挿入をやりたかったのだが、穴の位置的に無理だったので、仕方なく次善の策に切り替えたのだそうだ。
 その孝一は脚の間に陣取って、動画に切り替えてハメ取りを楽しんでいた。
 その間も、ローションでグジュグジュに解されたアヌスを責めるのも怠らない。ご自慢の極太バリカタで丁寧に前立腺を抉ってくる。

「いいよ、いいよー、レイちゃん、いい顔。激エロ。ふわとろメス顔キマってるよ-!」
「あっ、あっ、あん!! んんーっ!」
 ずぐんずぐんと奥を突かれるたび、鼻に掛かった甲高い嬌声さえ自然に洩れて。
 自分でも、女みたいな声だ、と思う。
 女物のランジェリーを着せられて女扱いされていると、嶺也も段々おかしな気分になってくる。
 まるで自分が、無体を強いられている可哀想な美少女のような錯覚さえ覚える。何の罪科もないのに、可愛いというだけで凌辱される哀れな女の子。
「あはっ、ナカ、ピクピクしてる。レイちゃん、イきそう? メスイキしたい?」
 抽送が激しさを増した。その振動が嶺也の全身を震わせ、頭まで響く。燃える杭を内臓に突き込まれ、灼熱にからだが熔かされていく。
「はぅん!? ぃひッ、イくッ、イ、ク、い、いッ、イいん……っ!!」

 いつも、自分は男なのに同じ男に犯されていいようにされていると思うと、みじめでならなかった。
 なのに、男に力尽くで犯されている女だと思うと、何故こんなに興奮するのだろう。無力でみじめなのは変わらないのに。

 皮枷を軋ませてのたうつ嶺也に伸し掛かり、孝一は躯が殆ど二つ折りになるまでシーツに押しつける。
 二つの肉体に挟まれて、これまで全く弄られなかった嶺也のペニスが、トロトロと勢いなく白濁を吐き出した。
「レイちゃん、もうすっかりメスだねえ」
 ほくそ笑んで間近でイキ顔を撮影されても、嶺也は全く反応しない。
 汗みずくの身体にまとった純白のシルクは、紅潮した膚にしっとりと貼りついて。涙と唾液に濡れた顔をのけぞらせ、よがり声を上げ続けるだけだった。

 

– end –